【単体考察】7色のZ技 オウム返しカプ・コケコ
こんにちは、ペクチンです。
今回は、S15シングルレートにて使用したオウム返しZ採用のカプ・コケコについて紹介したいと思います。
なかなか面白い動きが出来るポケモンだと思うので、是非見てもらえたら嬉しいです。
本考察を書くにあたり、新潟県民であるところのかえでさん(@yokoyoko_0819)にオウム返しカプ・コケコのイラストを頂きました。
かえでさん、ありがとうございました!
【カプ・コケコ】
種族値 H70 A115 B85 C95 D75 S130
特性 エレキメイカー
しかし、ご存知のように、電気技と補完の取れるめざ氷を採用したいだけでなく、有用な物理技の少なさ、火力を上げる手段の少なさもあり、物理型カプ・コケコはレートシーンにおいて、殆ど採用されていない。
【採用理由】
しかしここで、物理型の「電気」+「飛行」という特徴に注目してみると、「受けサイクル崩し」という、カプ・コケコの新たな可能性が見えてくる。
何故なら、現在シングル環境には物理型の電気タイプが殆ど存在しないため、受けポケモンは、エアームド、ドヒドイデといった電気タイプが弱点のポケモンが多いからである。
また、特殊電気タイプのポケモンに関しては「めざめるパワー氷」を持っていることが多いため、数値で受けられるポケモンが投げられることが多い。
それにより、受け寄りのサイクルは、「A:電気弱点の物理受けポケモン」+「B:電気、めざ氷を受けられる特殊受けポケモン」で構成されていることが多い。
(例)
B:カプ・ブルル/バンギラス/フシギバナ/モロバレル/ラッキー 等
また、コケコに関して言えば、草タイプのポケモンを後投げすることで、比較的安定して受けを行うことが出来ると考えている人が多い。
しかし、単に飛行技の「ブレイブバード」を採用し、Zを持たせるだけでは、この問題は解決しない。
物理型ゆえの技範囲の狭さにより、物理型だと悟られた時点ブレイブバードZを警戒して交代されてしまう上に、草タイプではなくバンギラスやラッキーといった数値受けのポケモンには受けを許すからである。
更に、ブレイブバードにZを裂くことで汎用性が下がり、受けサイクル以外への選出が厳しくなってしまうというデメリットがあった。
そこで今回採用したのがこちら。
オウム返し 飛行 変化 威力- 命中-
<効果>
相手が最後に使った技で、相手を攻撃する。技の対象が「1体選択」の場合は技を使用したポケモン(味方を含める)を攻撃し、それ以外の場合は、自分がその技を使用した場合に本来取りうる対象に攻撃する(「相手全体」「自分以外」など)。ただし、技の対象が「自分」や「場」の場合などは失敗する。相手の技がZワザの場合は失敗する。
<Z技>
『こうげき』ランクが2段階上がる。また、相手の技が変化技ではない場合は、Zワザとして相手に返す。
オウム返しという技は、Z技にすると攻撃が2段階上昇する。そう、実質「剣の舞」である。
オウム返しを採用することのメリットは大きく分けて3つ。
①Z技を切るタイミングを見計らう必要がない。
前述した通り、コケコの物理技は多くなく、ブレイブバードZや奮い立てる電気Zの場合、Zを切るタイミングを逃してしまうと、崩しに失敗することがある。
一方、オウム返しであれば、Z発動後A↑↑状態が続くため、一度Zを透かす動きをされたとしても崩しの火力を失わない。
②電気技の火力もあげることができ、数値受けのポケモンも崩すことが出来る。
ブレイブバードを媒体とした飛行Zの場合、投げられやすい草タイプのポケモンは相手できるが、ラッキー、バンギラス、ヒードランといったポケモンを相手にすることが出来ない。
しかし、オウム返しであれば、飛行技と電気技の火力を同時に上げることが出来るため、幅広いタイプの受けサイクルを相手にすることが出来る。
③受けサイクルでないパーティに対しても選出が可能。
受けサイクルを崩すポケモンは、受けサイクル以外のパーティに対しての選出率が落ちることが多い。
しかし、このポケモンはビーストブーストと同じような感覚で、削れたポケモンに対して繰り出し、相手の技をZで返して倒すと同時に火力を上げることが出来るため、通常のパーティに対しても十分選出できる。(オウム返しは自分の前のポケモンに対して撃たれた技に対しても反応するため、死に出しからオウム返しが成功する、また相手の技を返す前にAが上昇する)
この「能力を上げながら殴る」という能力は非常に強く、普段であれば起点にし辛い、能力の上がったポケモンや激流ゲッコウガ、キノガッサといったポケモンを倒しつつ起点にすることが可能である。
その他にも、受け崩しポケモンに比較的ありがちな「ゲンガーに上から殴られて死んだ」という問題に対して最悪同速勝負ができること、EFを後続に残すことが出来ることなどもメリットである。何より、色々なZ技を1匹で見ることが出来てとても楽しい。おすすめはゴーストZ、悪Z。
【技構成の考察】
技構成としては、コンセプトであるオウム返し、メインウエポンのワイルドボルトと崩しのブレイブバードは確定。
残り1枠に関しては、反動無しの技で最も威力が高いことと、前述の2つの技で有効打が無くなる電気タイプ、主にボルトロス等に対しての遂行技となる恩返しを採用した。
この枠に関しては諸説であり
主に役割対象はマンムー。皮のあるミミッキュに対してワンチャンできる。
蜻蛉返り
ある程度サイクルを回してから詰めたい場合に採用。
めざ氷/草結び
この型で厳しいランドロスやヌオーに対して。火力は期待できない。
これらの中から選択する。
オウム返しということで、守るや身代わりが連想されるかも知れないが、技範囲を広げたほうが強いと感じたこと、技の反動ダメージが痛いこともあり、欲しいと感じることは殆ど無かった。
【相性の良い味方】
・ステロ撒き
後ほどダメージ計算を乗せるが、+2状態でもワイルドボルトが微妙に火力不足であるため、ステルスロックを撒くことは非常に重要。
特に、大爆発で相手を大きく削りながら自主退場できるランドロスや、挑発で相手に攻撃を強いることのできるグライオンは相性◎。
・先制技持ち
受けサイクル以外の構築に選出する場合、先制技持ちがいると物理型のポケモンをオウム返しの圏内に押し込むことが出来る。
【オウム返しの使い方】
①受けサイクルに対して
カプ・コケコは本来有利不利がはっきりしているので、エアームドやヤドランといった有利対面を作り、Zで攻撃を上げる。Z技で返す効果に対してはあまり必要がない。
ラッキーやバンギラスといったポケモンに対しては、A↑↑ワイルドボルトで確定を取ることが出来ないが、ステルスロックを絡ませることで、良い乱数での勝負が出来る。
②受けサイクル以外のパーティに関して
基本的にはニトロチャージやビーストブーストと同じように、削れた相手をZで仕留めて能力を上げることを考えて行動する。
しかし、オウム返しは相手の技を返す前にAが上がるため、A2段階上昇のZ技を撃ち込むことが出来る。そのため、等倍以上のダメージが入る相手には、かなりのダメージが見込める。
ダメージ計算(オウム返し後+2、Z技で返すことを想定)
ミミッキュ:155(196)-100(0)
かげうちZ 161.2~190.9% どんな型のABミミッキュでも確定1発
ギルガルド(剣):167(252)-70(0)
かげうちZ 214.3~252.6% どんな型のギルガルドでも確定1発
※カプ・コケコ-ギルガルド(剣)体面は瞑想警戒もあり、基本的にはキングシールドは撃たれなかった。
カバルドン
氷の牙Z 75.3~89.3%
メガガルーラ:H212(252)-B120(0)
恩返しZ 78.7~92.9%
捨て身Z 93.3%~110.3%
不意打ちZ 69.3~81.6%
このため、相手が物理型の場合は相手を少しでも削れれば、オウム返しでの起点にすることが可能であった。
尚、オウム返しは変化技なので、不意打ちは反応しない。そのため、相手の不意打ちに対してオウム返しを押すことで不意打ちを透かすことが出来る。
Zが残っている場合
相手不意打ち(オウム返しが変化技なので失敗)⇒オウム返し(不意打ちが悪Zになる)
Zが残っていない場合
相手不意打ち(失敗)⇒オウム返し(不意打ち/後攻なので失敗)
オウム返し(前のターンの不意打ちを返す/先攻なので成功)⇒相手通常技
オウム返しは不意打ちよりPPが多いため、相手の不意打ちに対して不意打ちを撃ち続けることで相手に変化技や他の優先度+1以上の技が無ければ不意打ち択に必ず勝つことが出来る。
【終わりに】
非常に長い考察記事になってしまいましたが、ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
自分もこのコケコを使ってきましたが、当然殆ど読まれないこともあり、受けサイクルに対しては非常に強く、また使い方に慣れれば、基本選出にもしっかり組み込めるスペックがあり、ポテンシャルを持ったポケモンだなと感じました。
何より、普段見ないようなZ技を使う機会が多く、使っていてとても楽しいポケモンだなと感じました。
とても面白い型だと思っているので、是非皆さんにも使って頂けたら嬉しいです。
【ダメージ計算】
※全てオウム返し後のA↑↑、EF込みで計算
※必要があれば計算を追加します
ワイルドボルト
ヒードラン:H198(252)-B126(0)
102.0~120.2% 確定1発
メガバンギラス:H175(0)-B170(0)
85.7~101.1% ステロ込みで乱数81%
ラッキー:H345(156)-B62(252+)
82.4~97.2% ステロ込みで乱数61%
※ラッキーはコケコ単体では完全には崩せないが、ワイルドボルトを受けきれないため、サイクルを回し、ステロを2回入れる立ち回り、若しくは後続の特殊ポケモンの圏内に入れることでサイクルを崩す立ち回りを行った。
カビゴン:254(148)-117(252)
85.4~100.7% ステロ込みで乱数81%
メガガルーラ:212(252)-120(0)
99.5~117.9% 最低乱数切って1発
ブレイブバード
ジャローダ:H182(252)-B116(4)
142.8~169.2% 確定1発
カプ・ブルル:H177(252)-B183(252+)
93.7~110.7% Bに補正がかかっていなければ確定1発、HB特化でもステロ込みで確定1発
モロバレル:H221(252)-B134(252+)
102.2~120.3% 確定1発
メガフシギバナ:H187(252)-B143(0)
113.3~133.6% 確定1発 HB特化でもステロ込みで75%の乱数1発
アーゴヨン:H148(0)-B93(0)
109.4~129.0% 確定1発
恩返し
ボルトロス(霊):H154(0)-B90(0)
92.2~109.0% ステロ込みで確定1発
※相当耐久に厚いボルトロスでなければステロ込みで確定1発が取れる。ステロ+恩返しで落ちないボルトロスは基本的に毒技を持っていないので撃ち勝てる。
カプ・コケコ:H145(0)-B105(0)
84.1~99.3% ステロ込みで乱数75%
アイアンヘッド
マンムー:185(0)-100(0)
109.1~128.6% 確定1発